制作に関して

デザイン

無垢の木の持つ味わいを生かし、住まいに安らぎをもたらす家具を作りたいと考えています。構造はシンプルで丈夫な、長く使える家具をめざしています。さらに座り心地などの使いやすさを良くするため、注文に合わせて細かく対応しています。


材料

材木は安曇野市にある原木市場で購入します。長野県内の地元の木です。それを製材所で板にしてから乾燥します。クルミ、ヤマザクラ、クリ、ミズナラ、ハンノキなどの広葉樹を主に使っています。引き出しの底板、背板などにはシナ合板も使います。


つくり

部材同士の接合はほぞ組を基本としています。接着材はタイトボンド3を中心に、いくつか使い分けています。ネジなどの金物も必要に応じて使用しています。


塗装

塗料はオイルと蜜蝋です。着色する場合は柿渋を使います。ウレタンなどの化学塗料と違い、汚れやキズが付きやすい面もありますが、メンテナンスは難しくありません。木にふれる手触りや、使い続けた時の味わいが楽しめます。




      

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デザインについての詳細

家具のデザインは、まず使い方から考えます。イスならどんな場面で使うのか、収納家具ならどこで何を入れるのかなどです。構造は必要な形に、必要な強度をもたせようとすることで決まってきます。木の伸び縮みにも考慮が必要です。

その次は見た目の好みで選べるところを決めていくことになります。軽く細くなどという要求と、強度をあげるということはバランスが難しいです。ほぞなどのつくりを工夫しますが基本的には強度を優先しています。部材の角を取ることを面取りといいますが、面の形や大きさも大事な要素になります。

木の種類は強度的に問題がなければ好みで選べます。同じデザインの家具でも雰囲気に違いがでてきます。木は種類によって重さ、強度、色、木目の雰囲気などが違います。同じ種類でも育った環境によって一本一本性質が違います。そのような個性がある素材ですから、適材適所が大切です。

家具のどの部分にどんな板を使うのか、図面には書かれませんがそういう選択も家具のデザイン的な要素になります。板目と柾目といった木目の違いもあります。特にテーブルなど幅の広い部材を作るために板を接ぎ合わせる場合は、使う板の数や幅、木目の統一感などで見た目が変わってきます。

無垢の木ならではのデザインとして、耳付きの板を使うことがあります。樹皮をむいただけの自然なラインを残したものです。バランスをとるために部分的に切ることもあります。小さな節なども木の味わいに感じられる場合はそのまま使います。

材料についての詳細

地元の木を使うようにしているのは、材料としての善し悪しではなく環境にとって良いと考えているからです。乾燥された板ではなく原木を買って製材からやっているのは、その方が安くできるということと自分の好みに合っているためです。

原木は材木市場の入札で購入します。市場に並ぶ木は毎回違いますし、入札なので欲しくても手に入るとは限りません。結果的に自分のところに来ることになった木には縁があったのだと考えています。

製材はその木からどんな板がとれるか考えながら行います。木の太さ、種類、木目のかんじや節の有無などから使用目的に合わせた厚みに挽いてもらいます。近くの製材所にお願いしていますが、経験の長い方なのでいろいろ教わりながら進めていきます。

製材された板はまず皮をむきます。木の種類にもよりますが、皮をつけたまま乾燥させると虫がつきやすく大切な板に穴を開けられてしまいます。その次に桟をいれながら積んでいきます。三センチくらいの厚みの板を屋外で一年以上乾燥させます。そのあと倉庫や工房の中で使う日が来るまでねかせています。熱を加えるなどの人工乾燥はしていません。

耐久性や木の味わいということから無垢材を基本にしています。ただし合板のほうが強度や加工性、経済性が良い場合もありますので、全て無垢でなければならないとは考えていません。

つくりについての詳細

強度を高めるためほぞとほぞ穴による組手で作ります。ほぞはきつめにつくり、組み立ての時に少しつぶれながら入るようにします。

イスのように動かしたり寄りかかったりする家具は特に丈夫に作る必要があります。部材を太くすれば簡単ですが、重さや見た目との関係もあります。より強力な接着剤を使用し、補強のための部材をつけたり木ねじを使ったりします。

テーブルなどの天板やイスの座板の取り付けには、駒止めとよばれる金具を使います。木の伸び縮みに対応するためです。厚いテーブルの天板には十分な反り止め効果が得られませんが、30ミリくらいまではきちんと管理された材料を使えば問題ありません。

テーブルの天板が厚い場合や、脚のデザインで駒止めが使えない場合は別の反り止めをつけます。角材が天板の下につくのが基本ですが、方法は木ねじによる取り付け、専用の金具の使用、蟻桟という木組みがあります。

収納家具の開き戸にはスライド丁版を使います。板丁版より取り付けが簡単で後から位置の微調整ができます。使っているうちに戸の重みで位置や角度が変わってしまうことがありますが、簡単に修正できます。

塗装についての詳細

無垢の木という素材を生かし味わうことができる塗装として、オイルフィニッシュが一番良いと考えています。自然な色つやで作業も簡単です。

着色はなるべくしないようにしています。着色すると削れたりこすれたりした時に目立ってしまうからです。色の好みには樹種で対応しています。

小物や収納家具など色落ちの心配が少ないものは、柿渋で着色することがあります。
漆仕上げはご希望により漆職人さんにお願いします。

オイルフィニッシュの家具は手入れが必要です。ツヤが落ちたり色があせたかんじがしてきたら重ね塗りします。

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